順番に、決まりはありません
授かり婚の結婚式は、いつ挙げる? 急がなくていい理由
最終更新 2026.08.01約9分出典4件公的3民間1
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妊娠がわかったあとに、式のことを調べはじめたのだと思います。検索するとまず出てくるのは「安定期のうちに」「早めに動きましょう」という言葉で、少し急かされる感じがしたかもしれません。
先に結論を書きます。式の時期に、決まりはありません。 妊娠中に挙げてもいいし、産後でもいいし、お子さんの1歳の誕生日に合わせてもいい。写真だけ先に残して、式は落ち着いてから考えてもかまいません。
この記事では、よく引かれる「18.4%」という数字が実のところ何の割合なのかを確かめたうえで、時期の選び方と、産前・産後で変わる段取りを整理します。体調のことは人によって違うので、そこには踏み込みません。判断は主治医に相談してください。
まず、あの「18.4%」が何の割合なのか
授かり婚について調べると、ほぼ必ず「18.4%」という数字に出会います。「◯人に1人」と言い換えられていることも多い。
出どころは厚生労働省の「令和3年度『出生に関する統計』の概況(人口動態統計特殊報告)」です。ただし、この数字が何の割合なのかは、原典を読むとはっきり書いてあります。「結婚期間が妊娠期間より短い出生」が、嫡出第1子の出生に占める割合です。そして原典自身が、こう注意しています。「この割合は結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合であって、婚姻に占める割合ではないことに注意する必要がある」[1]
つまり、分母は「結婚したふたり」ではなく「第1子の出生」です。「結婚するカップルの18.4%が授かり婚」という読み方は、原典が名指しで否定している読み方になります。
もう二つ。この集計の最新のものは令和元年(2019年)のデータで、公表は令和3年です。そして「結婚期間が妊娠期間より短い」かどうかは、結婚してからの週数と妊娠週数を比べる形で、一定の仮定を置いて算出されています[1]。精密な実数というより、傾向を見るための数字だと思っておくのが正確です。
厚生労働省「令和3年度『出生に関する統計』の概況」より。原典は、この割合が嫡出第1子出生に占める割合であって婚姻に占める割合ではないと注記している。最新の集計は令和元年。[1]
「普通かどうか」を数字で決めようとしなくていい
同じ統計を別の切り口で見ると、印象がまるで変わります。
母の年齢階級別に見ると、令和元年で「15〜19歳」では8割、「20〜24歳」では6割、「25〜29歳」では2割、30歳以降では1割[2](いずれも原典の表記のまま)。都道府県別では、全国18.4%に対して沖縄県30.8%、東京都13.9%と開きがあります[3]。
年齢でも地域でも、これだけ動きます。だから「自分の周りにはあまりいない」も「わりといる」も、どちらも本当のことです。どこを切るかで「普通」の位置が変わる数字を、自分の立ち位置を測る物差しには使えません。
多数派かどうかを確かめたくなる気持ちは、たぶん「白い目で見られないだろうか」という心配とつながっています。その心配に対して数字が答えてくれることは、あまりありません。答えを出すのは、実際に伝えたときの両家やゲストの反応のほうです。
式は、いつでもいい
時期の選び方には、いくつかの型があります。どれも普通で、どれかが正解というものではありません。
一つだけ実際的なことを書いておくと、妊娠中に挙げる場合は体調の波を避けた時期を選ぶことになるので、選べる日が限られます。逆にいえば、産後に回す・写真だけにする・今は決めないという選択には、その制約がありません。時期を決められないことを、遅れていると感じなくて大丈夫です。
妊娠中
体調の落ち着いた時期に挙げる。衣装のサイズ調整の時期を早めに相談しておく
産後しばらくして
半年から1年ほど空けて。授乳や寝かしつけの時間を、当日の進行に織り込む
お子さんの節目に
1歳の誕生日やお宮参りに合わせる。家族の写真が、そのまま記念になる
写真だけ先に
式の前に、あるいは式をせずに写真だけ残す。式は落ち着いてから考えてもいい
今は決めない
決めないまま置いておく。あとから決めても、遅くはありません
どれも普通の選択。順番にも時期にも決まりはない。
産前にするなら、産後にするなら
体調に関することは、人によってまったく違います。何が無理で何が大丈夫かは、主治医に相談してください。ここに書けるのは、段取りの話だけです。
産前・産後のどちらでも共通して大事なのは、体調で予定が変わったときにどうなるかを、契約の前に聞いておくことです。日程の変更に応じてもらえるか、その場合の費用はどうなるか。聞きにくい質問に思えるかもしれませんが、会場にとっては珍しい相談ではありません。答えを聞いてメモしておけば、それだけで当日までの不安がひとつ減ります。
妊娠中に挙げるなら
- 衣装のサイズ調整を、いつ行うか
- 当日の休憩の取り方と、控室の使い方
- 会場までの移動と、当日の待ち時間
- 食事の内容と、お酒の席の扱い
- 体調で日程を変える場合の扱い(契約前に)
産後に挙げるなら
- 授乳と寝かしつけの時間を、進行に入れる
- お子さんを誰が見るか(一緒に出る/預ける)
- 授乳室・おむつ替えのスペースがあるか
- 控室を使わせてもらえるか
- ふたりの体力。当日だけでなく、準備の期間も
体調に関する判断は主治医に。ここに並べたのは段取りの話だけ。
両家とゲストへの伝え方
両家には、早めに伝えておくほうが動きやすくなります。式の日取りが体調に左右されるので、事情を知っている人が相手のほうが、日程の相談がしやすいからです。「順番が違う」と言われることを心配する人もいますが、そのときこそ、ふたりで決めたことをふたりの口から伝えるのが一番効きます。
ゲストへは、決まりはありません。招待状に書いてもいいし、当日の司会に触れてもらってもいいし、特に言わなくてもかまいません。ただ、席次や食事の内容で配慮が必要になることはあるので、当日サポートしてもらう人には事前に伝えておくと安心です。受付や司会をお願いする人、親族席の中心にいる人あたりです。
隠すことでも、発表することでもありません。伝える相手と範囲を、ふたりで決めていいことです。
なぜ「早く決めましょう」と書かれがちなのか
妊娠中に挙げるなら選べる日が限られる、というのは実際の理由です。そこは本当のことが書かれています。
ただ、記事の側にも事情があります。式場を紹介して手数料を得る媒体にとって、「産後に回す」「写真だけにする」「今は決めない」は、記事として成立しにくい。日取りが決まってはじめて紹介が成り立つからです。だから「安定期のうちに」という話が増え、それ以外の選択肢は小さく扱われる。書いてあることが嘘なのではなく、並べ方が偏るのです。
参考までに数字をひとつ。結婚マーケット調査2025では、写真撮影だけを実施した人が16.3%、どれも実施していない人が26.5%でした[4]。合わせると4割を超えます(当編集部による合算)。「挙げる」以外の道は、例外ではありません。
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よくある質問
- 授かり婚は、結婚するふたりのうちどのくらいですか?
- その形では答えが出ません。よく引かれる18.4%は、厚生労働省の統計で「結婚期間が妊娠期間より短い出生」が嫡出第1子の出生に占める割合であって、原典自身が「婚姻に占める割合ではないことに注意する必要がある」と書いています[1]。令和3年に公表された、令和元年のデータです。婚姻を分母にした割合は、この統計からは出てきません。
- 式はいつ挙げるのが普通ですか?
- 普通と呼べる時期はありません。妊娠中に挙げる人も、産後しばらくしてから挙げる人も、お子さんの1歳の誕生日に合わせる人も、写真だけ残して式はしない人もいます。妊娠中に挙げる場合だけは体調の波を避けた時期を選ぶことになるので選べる日が限られますが、それ以外にその制約はありません。「まだ決めない」も、ちゃんとした選択です。
- 妊娠中に式をするとき、気をつけることは?
- 体調に関することは人によって違うので、必ず主治医に相談してください。段取りの側で確認しておけるのは、衣装のサイズ調整をいつ行うか、当日の休憩の取り方と控室の使い方、会場までの移動と待ち時間、食事の内容とお酒の席の扱い、そして体調で日程を変えることになった場合の扱いです。最後のひとつは、契約の前に聞いておくと安心です。
- 産後に式をする場合、子どもはどうしますか?
- 一緒に出る、親族に預ける、式の一部だけ参加してもらう、どれもよくある形です。授乳室やおむつ替えのスペースがあるか、控室を使わせてもらえるかは、見学のときに聞いておいてください。お子さんと一緒に入場する、リングを運んでもらうといった演出は、産後に挙げるからこそできることでもあります。
- 両家やゲストには、いつ・どう伝えますか?
- 両家には早めのほうが動きやすくなります。式の日取りが体調に左右されるので、事情を知っている相手のほうが日程の相談がしやすいからです。ゲストへは、招待状に書く・当日の司会で触れる・特に言わない、どれも選べます。ただし当日サポートしてもらう人(受付や司会をお願いする人、親族席の中心にいる人)には、事前に伝えておくと配慮してもらいやすくなります。
- 「早く決めたほうがいい」と急かされている気がします。
- 妊娠中に挙げるなら選べる日が限られる、という実際的な理由はあります。ただ、産後に回す・写真だけにする・式をしないという選択肢も、同じように普通です。結婚マーケット調査2025では、写真撮影だけを実施した人が16.3%、どれも実施していない人が26.5%でした[4]。急かされている感じがしたら、いったん決めないでおいて大丈夫です。
出典
数字は公開された一次情報から。公的統計・法令の公的解説と、民間調査を区別しています。
- [1]厚生労働省「令和3年度『出生に関する統計』の概況(人口動態統計特殊報告)」結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合・年次推移および算出上の注記(対象は令和元年)公的統計2021
- [2]厚生労働省「令和3年度『出生に関する統計』の概況(人口動態統計特殊報告)」母の年齢階級別にみた結婚期間が妊娠期間より短い出生の割合(令和元年)公的統計2021
- [3]厚生労働省「令和3年度『出生に関する統計』の概況(人口動態統計特殊報告)」都道府県別にみた結婚期間が妊娠期間より短い出生の割合(令和元年)公的統計2021
- [4]結婚マーケット調査2025(リクルート ブライダル総研/2025年5月実施・2024年4月〜2025年3月に結婚した全国20〜49歳の男女821人)ウエディングイベント組み合わせ別の実施率【既婚編】民間調査2025
この記事の編集方針
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数字は、厚生労働省の人口動態統計などの公的統計と、公開された民間調査の一次情報に基づく目安です(各ページ末尾に出典を明記しています)。地域・会場・時期によって幅があるので、最後はふたりのペースで読み替えてください。