顔合わせの店選び、物差しは地域しだい
親世代も8割超が恋愛結婚。それでも顔合わせのお店選びで親とずれる理由
最終更新 2026.10.20約12分出典11件公的2法令3民間6
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1990年代前半に結婚した初婚どうしの夫婦の84.8%は、恋愛結婚でした[1]。いま結婚するふたりの、おおむね親の世代です。それでも顔合わせのお店選びで親とずれるとしたら、理由のひとつは、「ちゃんとした所」の物差しが住む地域で大きく違うことです。挙式や披露宴をした人への民間調査では、顔合わせをレストランで開いた人は首都圏で32.3%、富山・石川・福井では9.0%でした[8]。
ふたりと親が別の地域で暮らしているなら、この差は、そのまま親子の差にもなりえます。どちらかが間違っているわけではありません。正解の形がひとつではないから、場所はふたりで決めて大丈夫です。そのうえで親に「ゆずれないこと」を一つだけ確かめておくと、両家が同じ絵を見やすくなります。
お店の探し方や費用の目安は、両家顔合わせの進め方にまとめています。
恋愛結婚が見合いを上回ったのは、1960年代後半に結婚した夫婦から
「昔は、家と家の結婚だった」。顔合わせの話になると、よく出てくる言葉です。数字で確かめると、その「昔」は思っているより前にあります。
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査で、初婚どうしの夫婦の出会い方を結婚した年ごとに見ると、1930〜39年に結婚した夫婦では見合い結婚が69.0%、恋愛結婚は13.4%でした。それが1965〜69年に結婚した夫婦で、恋愛結婚(48.6%)が見合い結婚(44.9%)を上回ります。1985〜89年は80.2%、1990〜94年は84.8%、1995〜99年は87.2%が恋愛結婚です[1]。
2025年の平均初婚年齢は夫31.0歳・妻29.7歳でした[2]。平均で見ると、いま結婚するふたりは1990年代半ばごろの生まれで、その親が結婚したのは、おおむね1980年代後半から90年代です(当編集部の目安)。親もまた、多くは見合いではなく、学校や職場、友人を通じて出会って結婚した世代です。
初婚どうしの夫婦を、結婚した年ごとに集計した構成割合です。2020〜24年に結婚した夫婦では恋愛結婚は71.4%で、「ネット(インターネット)で」知り合った結婚(18.6%)は恋愛結婚とは別に数えています。[1]
憲法はふたりの合意を土台に、民法は相手の親を親族に
では、法律は結婚をどう扱っているのか。憲法24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と定めています[3]。結婚の土台にあるのは、ふたりの合意です。
そのうえで民法725条は、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族を「親族」としています[4]。厚生労働省の資料にある親族の範囲の図でも、配偶者の父母は1親等の姻族として、この範囲に入っています[5]。結婚は「両性の合意のみ」で成立する。そして相手の親は、法律の上でも親族になる。
いまのふたりの選び方にも、親や親族を思う気持ちが表れています。2024年4月〜2025年3月に結婚した全国20〜49歳の男女への民間調査では、両家の顔合わせをした人は74.2%(時期や内容がほぼ決まっている予定を含む)。式をしなかった人も含めた全体で、約4人に3人です[6]。同じ調査の、挙式や披露宴などをした人を対象にした集計では、挙式をした理由は「親・親族に喜んでもらうため」が40.4%で最も多く、披露宴や結婚を機にした食事会をした理由でも、同じ理由が44.7%で最も多くなっていました[7]。
親の感覚にも、ふたりの感覚にも、どちらにも根拠があります。決定と意見の分け方は、親の口出しの記事で詳しく扱っています。
法律が決めていること
- 結婚は「両性の合意のみ」で成立する(憲法24条)
- 六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族が「親族」(民法725条)
- 配偶者の父母は、1親等の姻族
ふたりと両家で決めること
- 顔合わせを、どこで、どんな格で開くか
- 結納をするか
- 費用を、誰がどう払うか
- 結婚後、両家でどのくらい集まるか
左は、この記事に関わる憲法・民法の条文と、厚生労働省の参考資料の図にもとづく整理です。右は、ふたりと両家で話して決めることの例です。
料亭は15地域すべてで最多。レストランの割合は地域で大きくちがう
「顔合わせなら料亭」と思う親にも、「レストランで」と思うふたりにも、数字の裏づけがあります。
挙式や披露宴をした人への2024年の民間調査(全国推計)で、顔合わせの会場は料亭が47.5%で最も多く、レストランが25.5%、ホテルが15.0%でした[8]。料亭が半数近くを占める一方で、約4組に1組はレストランです。
この割合は、地域でかなり変わります。妻の結婚前の住所で分けた集計では、レストランで開いた人は茨城・栃木・群馬で34.1%、首都圏で32.3%なのに対し、九州では13.9%、富山・石川・福井(北陸3県)では9.0%。料亭は富山・石川・福井で66.5%、九州で59.8%、首都圏で40.9%でした[8]。首都圏と富山・石川・福井では、レストランで開いた人の割合に約3.6倍の差があります。
それでも、料亭は調査した15の地域すべてで最も多い会場でした[8]。「顔合わせなら料亭」と思う親の感覚は、どの調査地域でも、いちばん多い選び方と重なります。そのうえで、レストランを選ぶ人の割合が、地域で大きく違います。両家の出身地が違えば、「ちゃんとした顔合わせ」の絵が違って当然です。 どちらかが古いわけでも、軽いわけでもありません。
もうひとつ、格の差はお金の差とは限りません。同じ調査の首都圏の集計で、食事を含めた顔合わせの費用は、レストランで平均7.3万円、料亭で平均7.4万円と、ほとんど同じでした(ホテルは12.2万円。区分ごとの回答者が少ないので目安です)[9]。
どちらの街で開くか、お店の探し方は両家顔合わせの進め方に、結納の地域差と、会場ごとの当日の進め方は顔合わせの挨拶と進行にまとめています。
挙式や披露宴をした人への民間調査(2024年調査・顔合わせ実施者)。地域は妻の結婚前の住所で分けた集計で、各地域の回答者は200〜370人ほどです。幅をもって見てください。[8]
予約の前に揃えるのは、場所の格・服装・結納・支払いの4つ
顔合わせの形がずれたまま予約すると、当日に「思っていたのと違う」が起きがちです。逆に、予約の前に次の4つだけ揃えておけば、お店の種類が何であっても、両家は同じ絵を見て当日を迎えられます。
- 場所の格:料亭・ホテル・レストランのどれにするか、個室かどうか。どちらの地元で開くかも、ここで一緒に決める
- 服装:場所の格に合わせて、両家で同じくらいに揃える
- 結納をするか:挙式や披露宴をした首都圏の人への民間調査では、結納をした人は2018年調査の11.0%から2024年調査の4.8%へ、6年で半分以下になりました[10]。しないなら、「しない」で両家を揃えておく
- 支払い:誰が、いつ払うか。同じ調査の全国推計で、食事を含めた顔合わせの費用は平均8.3万円でした(地域や会場で幅があります)[9]
形は、ふたりで決めて大丈夫です。両家の仲立ちをする仲人を立てた人は、挙式や披露宴をした人への民間調査(全国推計)で1.9%でした[11]。いまは、ふたり自身が両家をつなぐ役を担っています。
ただ、決めたものをいきなり伝えるより、先に親に確かめるひと手間があるほうが、ずっと揃いやすくなります。「どこがいい?」と聞くと、返ってくるのはお店の名前です。聞きたいのは店名ではなく、親が大事にしていること。だから、こう聞いてみてください。「お店はふたりで決めたい。そのうえで、ゆずれないことを一つだけ教えて」。個室がいい、駅から近く、和食で。返ってきた一つを形に入れれば、親の希望はちゃんと届きます。
自分の親には、自分から聞くのが基本です。顔合わせの前に、ふたりでそれぞれの家へ結婚の挨拶に行くかどうかも、この段階で決めておくと、順番の行き違いが起きにくくなります。費用の分け方に迷ったら、両家の費用分担の記事も参考になります。
- 1
ふたりで案をつくる
場所の格・服装・結納・支払いの4つを、まずふたりで話す
- 2
それぞれの親に確かめる
自分の親には自分から。「ゆずれないこと」を一つだけ聞く
- 3
両家に同じ言葉で伝える
親の一つを入れた形を、両家に同じ文面で送る
- 4
予約する
個室と時間を押さえて、決まったことをもう一度両家へ
どちらの地元で開くか、顔合わせの前にそれぞれの家へ挨拶に行くかも、1の段階で一緒に決めておくと行き違いが起きにくくなります。
気まずく終わっても、翌日の「ありがとう」で次に進める
準備をしても、空気がかみ合わない日はあります。片方の家だけが話していた。話題がかみ合わなかった。帰り道、ふたりのどちらかが黙り込んだ。
まず、顔合わせは試験ではありません。結婚の土台はふたりの合意で、一度の食事会で両家の関係が決まるわけでもありません。
気まずさを次に持ち越さないために、することは3つです。
- 当日か翌日に、ふたりから両家へお礼を伝える。自分の親には自分から、相手の親にはふたりの連名で。短い言葉で足ります
- 振り返りを、親と一緒にしない。自分の親の言動が気になったら、自分の親にだけ、日をあらためて静かに伝える
- 次に両家が揃う場面を、急いでつくらない。入籍の報告や式の相談で、次の接点は自然にやってきます
親どうしでお礼状を送り合うかどうかは、それぞれの家に任せてかまいません。ふたりのお礼が届いていれば、それで十分です。
両家の付き合いは、いま決めなくていい。決めるなら「次の1回」だけ
顔合わせのあとで、「これからも両家で集まりたい」と言われることがあります。うれしい気持ちと、少し重い気持ちが、同時に来るかもしれません。
両家がどのくらい会うかに、決まった形はありません。毎年集まることも、式や祝いごとのときだけにすることも、ふたりと両家で選べます。
私たちのおすすめは、頻度を約束しないことです。代わりに、次に両家が揃う「次の1回」だけを決めます。式の日、入籍のあとの食事、どちらかの家の祝いごと。会ってみてから、また次を決めればいい。
その場で答えにくいときは、「ありがとう。どのくらい集まるかは、ふたりで考えてから相談させてね」と返せます。断ってもいないし、約束してもいない。いまは、それで十分です。
付き合い方は、結婚してからも変えられます。子どもが生まれたとき、親が年を重ねたとき、ふたりの暮らしが変わったとき。今日の答えは、今日の答えでいいのです。
いま約束しなくていいこと
- 年に何回集まるか
- 両家揃っての旅行や行事
- 親どうしが連絡を取り合う頻度
- 盆暮れの贈りものを両家で交わすか
決めておくと楽なこと
- 次に両家が揃う「次の1回」
- 連絡は、それぞれ自分の親へという窓口
- その場で答えないときの返し方
- 見直す時期(式のあと、子どもが生まれたときなど)
どちらも、結婚してから何度でも決め直せます。
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よくある質問
顔合わせの場所は誰が決める?
男性側・女性側のどちらが決める、という決まりはありません。ふたりで場所の格・服装・結納・支払いの案をつくり、自分の親には自分から「ゆずれないこと」を一つだけ聞く。それを入れた形を両家に同じ言葉で伝えてから予約すると、揃いやすくなります。どちらの地元で開くかも、このとき一緒に決めます。両家の仲立ちをする仲人を立てた人は、挙式や披露宴をした人への民間調査(全国推計)で1.9%でした[11]。いまは、ふたりがその役を担っています。
顔合わせはカジュアルなお店でもいい?
かまいません。親が料亭やホテルを考えているときは、「ゆずれないこと」を一つだけ聞いて、個室や和食など、その一つを入れたお店にすると歩み寄りやすくなります。挙式や披露宴をした人への2024年の民間調査(全国推計)では、顔合わせの会場は料亭47.5%、レストラン25.5%、ホテル15.0%でした。料亭は調査した15の地域すべてで最も多い一方、レストランは首都圏で32.3%、富山・石川・福井では9.0%と、地域で大きく違います[8]。服装をどこまで改めるかも、予約の前に両家で揃えておくと安心です。
顔合わせが気まずく終わった。その後はどうすればいい?
まず、当日か翌日に、ふたりから両家へお礼を伝えてください。自分の親には自分から、相手の親にはふたりの連名で、短い言葉で十分です。振り返りは親と一緒にせず、自分の親の言動が気になったら、自分の親にだけあとで静かに伝えます。一度の食事会で両家の関係が決まるわけではありません。次に両家が揃う場面は、入籍の報告や式の相談で自然にやってきます。
結婚後の両家の付き合い方は、どう決めればいい?
決まった形はありません。毎年集まることも、式や祝いごとのときだけにすることも選べます。頻度を約束する代わりに、次に両家が揃う「次の1回」だけを決めておくと、どちらの家にも負担がかかりにくくなります。両家で集まる約束を求められて迷ったら、「ありがとう。ふたりで考えてから相談させてね」と、その場では決めずに受け取ってかまいません。
両家の食事会の支払いは誰がする?
決まりはありません。ふたりが持つ、両家で折半する、それぞれの家が自分の家の分を持つ、どの形でもかまいません。挙式や披露宴をした人への民間調査(全国推計)では、食事を含めた顔合わせの費用は平均8.3万円でした(地域や会場で幅があります)[9]。大事なのは、当日のレジの前で決めないこと。払うタイミングや交通費の扱いは両家顔合わせの進め方にまとめています。
顔合わせで自分の親が恥ずかしい。どうすればいい?
その場で正そうとしないほうが、場は早く落ち着きます。話が偏ったら、ふたりが次の話題や次の人へ話を振り直す。気になったことは、終わってから自分の親にだけ伝えます。相手の親へは、翌日のお礼の連絡で十分です。自分の親のことは自分が引き受ける、とふたりで決めておくと、どちらかが相手の親に気を遣いすぎずにすみます。
出典
数字は公開された一次情報から。公的統計・法令の公的解説と、民間調査を区別しています。
- [1]国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査 結果の概要」図表5-2 結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚・ネットを通じた結婚の構成割合(初婚どうしの夫婦/1930〜39年 見合い結婚69.0%・恋愛結婚13.4%/1965〜69年 恋愛結婚48.6%・見合い結婚44.9%/恋愛結婚 1985〜89年80.2%・1990〜94年84.8%・1995〜99年87.2%/2020〜24年 恋愛結婚71.4%・ネット(インターネット)で18.6%/見合い結婚は「見合い」と「結婚相談所」の合計)公的統計2026
- [2]厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」結果の概要(2025年の平均初婚年齢 夫31.0歳・妻29.7歳)公的統計2025
- [3]e-Gov法令検索「日本国憲法」第24条第1項(婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し)法令・制度1946
- [4]e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号)第725条(親族の範囲:六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)法令・制度1896
- [5]厚生労働省「親族の範囲について」(第2回 臓器提供に係る意思表示・小児からの臓器提供等に関する作業班 参考資料/民法第725条の親族の範囲の図で、配偶者の父母は1親等の姻族)法令・制度2009
- [6]結婚マーケット調査2025【既婚編】(リクルートブライダル総研)結婚を機としたイベントの実施率(2024年4月〜2025年3月に結婚した全国20〜49歳の男女821人/「両家の顔合わせ」74.2%/「これから実施する予定で、時期や内容もほぼ決まっている」を含む)民間調査2025
- [7]結婚マーケット調査2025【トレンド編】(リクルートブライダル総研)挙式を実施した理由(国内挙式実施者583人・複数回答/「親・親族に喜んでもらうため」40.4%)・披露宴・ウエディングパーティーまたは結婚を機とした食事会を実施した理由(国内での実施者692人・複数回答/同44.7%)民間調査2025
- [8]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)両家の顔合わせの実施会場(2023年4月〜2024年3月に挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人のうち顔合わせ実施者/全国推計 料亭47.5%・レストラン25.5%・ホテル15.0%/レストラン 茨城・栃木・群馬34.1%・首都圏32.3%・九州13.9%・富山・石川・福井9.0%/料亭 富山・石川・福井66.5%・九州59.8%・首都圏40.9%、15地域すべてで料亭が最多/地域別は妻の結婚前の住所で集計)民間調査2024
- [9]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)食事を含めた両家の顔合わせの費用(顔合わせ実施者のうち金額回答者/全国推計 平均8.3万円/首都圏 実施会場別 レストラン7.3万円〔102人〕・料亭7.4万円〔112人〕・ホテル12.2万円〔44人〕)民間調査2024
- [10]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)結納・両家の顔合わせの実施状況(首都圏で結納を行った人=「両方行った」+「結納のみ行った」 2018年調査7.8%+3.2%・2024年調査3.4%+1.4%)民間調査2024
- [11]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)仲人の有無(全国推計 立てた1.9%)民間調査2024
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このガイドは、結婚式の準備をまるごと手伝う無料アプリ「Harebiyori」が書いています。送客手数料や広告費で、記事のおすすめ・順位を動かすことはありません。だから費用も段取りも、どこかへ誘導することなく、ふたりの側に立って書けます。
数字は、厚生労働省の人口動態統計などの公的統計と、公開された民間調査の一次情報に基づく目安です(各ページ末尾に出典を明記しています)。地域・会場・時期によって幅があるので、最後はふたりのペースで読み替えてください。