戸籍にフリガナが載る一年
戸籍に自分のフリガナが載る。婚姻届の前に、一度だけ確かめておく
最終更新 2026.08.09約11分出典4件法令4
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入籍の準備で調べることは、だいたい決まっています。婚姻届の書き方、証人、本籍地、必要な書類、そのあとの名義変更。ひととおり調べ終わって、あとは出すだけ——という段階の人が多いと思います。
そこに、今年だけ一本増えているものがあります。戸籍に氏名の振り仮名(フリガナ)が記載されるという制度です。2025年5月26日に始まり、いま、2026年の夏から来年にかけて、全国の戸籍に順に書き加えられているところです。
この話がややこしいのは、自分で届け出られる期間がもう終わっているところです。「まだ何もしていない」と気づいても、いまさら届け出る先はありません。かわりに、戸籍に記載されたあとに、1回だけ家庭裁判所の許可なしで直せる機会が残っています。多くの人が、そこに気づかないまま通り過ぎます。
婚姻届を出す前後は、戸籍を見る数少ない機会です。そのついでに確かめておくと、あとで面倒がありません。ここでは、いま何が起きていて、名字が変わる人が何を確認すればいいのかだけを書きます。
戸籍に、氏名のフリガナが書き加えられています
これまで、戸籍に氏名の振り仮名は記載されていませんでした。改正戸籍法が2025年(令和7年)5月26日に施行され、記載されることになりました[1]。
施行にあわせて、本籍地の市区町村から、戸籍に記載する予定の振り仮名を知らせる通知が順次発送されています。この通知に書かれた振り仮名でよければ何もしなくてよく、違っていれば届け出る、という設計でした。
届け出られたのは、施行日から1年間です。つまり2025年5月26日から2026年5月25日まで[1]。この期間は、もう終わっています。
届出がなかった人については、2026年5月26日以降、国が定めたスケジュールにしたがって、本籍地の市区町村長が通知した振り仮名を戸籍に記載していきます[2]。全国いっせいではなく、市区町村ごとに順番があります。だから、いまこの記事を読んでいる時点で、すでに記載が終わっている人と、まだ数か月先の人がいます。
自分がどちらかは、本籍地の市区町村のサイトを見ればわかります。たとえば横浜市は2026年8月から2027年3月にかけて記載する予定と案内し[2]、豊島区は2026年7月から8月頃を予定と案内しています[3]。同じ首都圏でも半年以上ずれます。
2025年5月26日
改正戸籍法が施行。戸籍に氏名の振り仮名が記載される制度が始まる
2025年5月26日〜2026年5月25日
本籍地から届いた通知を確認し、振り仮名を届け出られた1年間。すでに終了
2026年5月26日〜
届出がなかった人は、市区町村ごとの順番で戸籍に記載されていく。いまここ
記載されたあと
市区町村長が記載した振り仮名は、1回に限り家庭裁判所の許可なしで変更を届け出られる
そのあと
さらに変更するには、家庭裁判所の許可が必要になる
記載の時期は本籍地によって違います。例として横浜市は2026年8月〜2027年3月、豊島区は2026年7〜8月頃を予定と案内しています。[1]
いま残っているのは、記載されたあとの「1回」です
届出の一年が終わっているので、いまできることは限られています。残っているのは一つだけです。
本籍地の市区町村長によって振り仮名が戸籍に記載された場合は、1回に限り、家庭裁判所の許可を得ずに届出だけで変更できます[3]。その1回を使ったあとの変更や、期間中に自分で届け出た振り仮名を変える場合には、家庭裁判所の許可が必要になります。
つまり、通知が届いたときに中身を見なかった人ほど、この1回が効きます。逆に言えば、記載されたあとに一度も戸籍を見ないと、この1回は静かに残ったままになります。使わずに済むならそれでいいのですが、読みが違っていた場合は、後から直すのが一段面倒になります。
届出人は、変えるものによって違います。名の振り仮名を変える届出は本人が、氏の振り仮名を変える届出は戸籍の筆頭者や配偶者などが届出人になります[4]。氏のほうは、その戸籍に入っている人全員に関わるからです。
なお、この制度が始まったあとに出生や帰化などで初めて戸籍に記載される人については、出生届や帰化届によって振り仮名が記載されます[4]。生まれたときから振り仮名がある、という状態にこれから移っていきます。
家庭裁判所の許可がいらない
- 市区町村長が戸籍に記載した振り仮名を変える場合(1回限り)
- 手続きは市区町村への届出だけで完結する
- 名の振り仮名は本人、氏の振り仮名は筆頭者や配偶者などが届出人
家庭裁判所の許可がいる
- 上の1回を使ったあと、さらに変える場合
- 届出期間中に自分で届け出た振り仮名を変える場合
- 許可の申立てには、変える理由の説明が必要になる
婚姻届を出すときは、どうなるのか
ここが、いちばん知りたいところだと思います。そして、正直に書きます。
婚姻届を出したときの振り仮名の扱いは、市区町村の案内ページには書かれていないことがほとんどです。 各自治体のページが説明しているのは、いま戸籍にある人への記載の話と、記載後の変更手続きの話までです。
わかっているのは、制度開始後に出生や帰化などで初めて戸籍に記載される人については、出生届や帰化届によって振り仮名が記載される、という点です[4]。婚姻で新しい戸籍がつくられる場合についても同じ考え方が及ぶはずですが、いま進行中の職権記載と時期が重なるため、どちらが先に進むかは本籍地の進み具合によります。
だから、ここは一般論で決めないでください。婚姻届を出す市区町村の戸籍の窓口に、「いま婚姻届を出すと、振り仮名はどう扱われますか」と一度聞く。 数分で終わりますし、窓口にはどのみち行きます。
聞くときは、この2つをセットにすると話が早いです。
- いまの戸籍(婚姻前の戸籍)に、もう振り仮名が記載されているか
- 婚姻で新しくつくられる戸籍の振り仮名は、どこから引かれるか
婚姻届そのものの書き方や必要書類は婚姻届の出し方にまとめてあります。あわせて確認してください。
名字が変わる側の人が、確かめておくといいこと
振り仮名は、読み方が一つに定まらない氏名ほど問題になります。
「はるか」と「はるひ」、「かずと」と「いちと」、「さいとう」の齋・斎の別。日常では周りが読み分けてくれていたものが、記録として固定されると、そこから先はその読みが使われます。銀行やクレジットカード、パスポート、保険。名義変更のたびに、記録側のカナと突き合わせが起きます。
とくに婚姻で名字が変わる人は、変わったあとの名字の読みが、相手方の戸籍にどう記録されているかを一度見ておくと安心です。同じ漢字でも家によって読みが違うことがあります。「かわさき」と「かわざき」のような濁点一つの違いは、口で聞いているだけでは気づきません。
やることは多くありません。次の4つで足ります。
- 自分と相手の本籍地がどこかを確かめる
- その市区町村のサイトで、記載スケジュールを見る
- 記載されたあとの戸籍(または届いていた通知)で、振り仮名を確認する
- 違っていたら、1回限りの変更届が使えるかを窓口で聞く
名義変更のほうは入籍後の名義変更に順番を書いています。カナの表記でつまずくのは、たいていこの工程です。
- 1
1. 本籍地を確かめる
自分の分と、相手の分。住所地と違うことが多い。戸籍謄本の請求先でもあるので、どのみち必要になる。
- 2
2. 本籍地の市区町村サイトで、記載時期を見る
「戸籍 振り仮名」で検索すると、その自治体の予定月が書いてある。数か月単位でずれるので、自分の分を見る。
- 3
3. 記載されたら、振り仮名を確認する
届いていた通知が手元にあればそれで足りる。無ければ、戸籍証明書を取ったときにあわせて見る。
- 4
4. 違っていたら、窓口で「1回限りの変更」を聞く
市区町村長が記載した振り仮名なら、家庭裁判所の許可なしで届け出られる。使えるかどうかは窓口が判断する。
国際結婚や、旧姓を使い続ける場合
いくつか、判断が分かれやすい場面があります。どれも、一般論より窓口が確実な領域です。
外国籍の相手と結婚する場合は、そもそも相手方が日本の戸籍に入らないため、振り仮名の話は日本人配偶者側の戸籍の問題になります。届出そのものの手順は国際結婚の届出に書いたとおりで、必要書類が国ごとに違うところが本体です。
仕事で旧姓を使い続ける場合も、戸籍の振り仮名とは別の話です。旧姓の併記は住民票やマイナンバーカード側の手続きで、戸籍の振り仮名の記載とは手続きが分かれています。混ざりやすいので、窓口では「戸籍の振り仮名の件で」と用件を先に言うと通じやすくなります。
そして、どの場面でも共通して言えることが一つあります。振り仮名は、間違っていても日常生活はそのまま回ります。 気づくのは、たいてい何年か先の手続きの場面です。だから、いま気づけるならいま見ておいたほうが安い、というだけの話です。
事務は思い出になりませんが
婚姻届を出した日のことは、たいていよく覚えています。何を着ていったか、窓口の人が何と言ったか、そのあとどこでご飯を食べたか。
一方で、その前後にやった事務のことは、ほとんど記憶に残りません。振り仮名の確認も、そちら側です。うまくやっても誰にも褒められないし、話題にもなりません。
それでも書いたのは、この一年が、たまたま重なっているからです。戸籍に振り仮名が載っていく期間と、ふたりが新しい戸籍をつくる時期が、同じ2026年に来ている。次に同じことが起きるのはずっと先です。
やることは、本籍地のページを一度見て、窓口でひとこと聞くだけです。5分あれば終わります。終わったら、あとは届出の日のことだけ考えていればいいはずです。
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よくある質問
- 戸籍のフリガナは、いつから記載されるのですか。
- 改正戸籍法が2025年(令和7年)5月26日に施行され、戸籍に氏名の振り仮名が記載されることになりました[1]。届出がなかった人については、2026年5月26日以降、国が定めたスケジュールで市区町村ごとに順次記載されています。時期は本籍地によって違い、たとえば横浜市は2026年8月〜2027年3月[2]、豊島区は2026年7〜8月頃[3]と案内しています。本籍地の市区町村のサイトで確認してください。
- 届出をしていません。もう手遅れですか。
- 手遅れではありません。届け出られる期間(2025年5月26日〜2026年5月25日)は終わっていますが[1]、本籍地の市区町村長によって振り仮名が戸籍に記載された場合は、1回に限り家庭裁判所の許可を得ずに届出だけで変更できます[3]。記載されたあとに内容を確認し、違っていればこの1回が使えるかを窓口で聞いてください。
- 婚姻届を出すと、フリガナはどうなりますか。
- 市区町村の案内ページには、婚姻届のときの扱いがはっきり書かれていないことがほとんどです。制度開始後に出生や帰化で初めて戸籍に記載される人については出生届や帰化届で振り仮名が記載されると案内されていますが[4]、婚姻で新しい戸籍をつくる場合は、進行中の職権記載と時期が重なります。婚姻届を出す市区町村の戸籍の窓口で「いま出すと振り仮名はどう扱われますか」と直接聞くのが確実です。
- フリガナを変えるのに、家庭裁判所の許可は必要ですか。
- 市区町村長が戸籍に記載した振り仮名であれば、1回に限り家庭裁判所の許可を得ずに届出だけで変更できます[3]。その1回を使ったあとの変更や、届出期間中に自分で届け出た振り仮名を変える場合には、家庭裁判所の許可が必要になります。届出人は、名の振り仮名なら本人、氏の振り仮名なら戸籍の筆頭者や配偶者などです[4]。
- 名字が変わります。相手方の名字の読みは、どこで確認できますか。
- 相手の本籍地の市区町村での記載が済んでいれば、戸籍証明書に振り仮名が載ります。まだなら、相手方に届いていた通知書で確認できます。同じ漢字でも家によって読みが違うことがあり、濁点の有無のような差は口で聞いているだけでは気づきません。名義変更の場面でカナの突き合わせが起きるので、婚姻届の前後に一度見ておくと後が楽です。
- 旧姓を使い続けたい場合、フリガナの手続きは関係しますか。
- 別の手続きです。旧姓の併記は住民票やマイナンバーカードの側で行うもので、戸籍の振り仮名の記載とは手続きが分かれています。窓口では用件が混ざりやすいので、「戸籍の振り仮名の件で」と先に言うと話が通じやすくなります。
出典
数字は公開された一次情報から。公的統計・法令の公的解説と、民間調査を区別しています。
- [1]法務省「戸籍にフリガナが記載されます」改正戸籍法の施行日(令和7年5月26日)および氏名の振り仮名の届出期間(令和7年5月26日〜令和8年5月25日)法令・制度2026
- [2]横浜市「戸籍へのフリガナ記載」令和8年5月25日までに届出がなかった場合の記載開始(令和8年5月26日以降)および横浜市に本籍がある人の記載予定(令和8年8月〜令和9年3月)法令・制度2026
- [3]豊島区「戸籍への氏名の振り仮名記載について」国が定めたスケジュールによる順次記載(豊島区は令和8年7月〜8月頃を予定)および市区町村長が記載した場合の1回に限る家庭裁判所の許可を要しない変更届法令・制度2026
- [4]渋谷区「戸籍に氏名の振り仮名が記載されます(令和7年5月26日から)」制度開始後に出生・帰化等で初めて戸籍に記載される者の取扱い、および振り仮名の変更届の届出人(名は本人、氏は筆頭者・配偶者など)法令・制度2026
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数字は、厚生労働省の人口動態統計などの公的統計と、公開された民間調査の一次情報に基づく目安です(各ページ末尾に出典を明記しています)。地域・会場・時期によって幅があるので、最後はふたりのペースで読み替えてください。