本文へスキップ
ガイド一覧
  1. 結婚式準備ガイド
  2. /
  3. 費用・お金
  4. /
  5. 親に結婚費用を出してもらうと、贈与税はかかるのか

国税庁のQ&Aに、そのものずばりが載っています

親に結婚費用を出してもらうと、贈与税はかかるのか

最終更新 2026.08.03·約18分·出典5件法令5

広告や手数料で本文とおすすめを動かしません。編集方針

さきに、要点だけ

  • 国税庁のQ&Aは、親子で費用を分担している場合は「そもそも贈与には当たらない」としています。非課税ではなく、贈与ですらないという整理です
  • 危ないのは、まとめて振り込んでもらって口座に残る形。国税庁は「充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります」と書いています
  • ご祝儀は「社交上の必要によるもの」で社会通念上相当なら課税対象外。金額の上限が示されているわけではありません

親に費用を出してもらう話が出たとき、頭をよぎるのが「これ、税金かかるんじゃないの」という不安だと思います。

この不安には、はっきりした答えがあります。国税庁が「扶養義務者(父母や祖父母)から『生活費』又は『教育費』の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」という文書を出していて、その中に「2 結婚費用に関するQ&A」という章があるからです[1]。結婚式の費用そのものが、名指しで扱われています。

読むとわかるのは、金額ではなく、お金の渡りかたで結論が変わるということです。同じ200万円でも、親が式場に直接払うのと、ふたりの口座にまとめて振り込んで手元に残すのとでは、扱いが違います。

この記事は、その分かれ目を条文とQ&Aで確かめる話です。最後に一つだけ先に書いておくと、ここに書くのは制度の一般的な整理であって、個別のケースの判断ではありません。金額が大きいときや形が複雑なときは、税務署か税理士に確かめてください。

POINT

国税庁のQ&Aが言っているのは、金額の線引きではなく、形の話です。

親が自分の招待客の分を負担しているなら、それは分担であって贈与ではない。生活のために必要な都度直接充てているなら、贈与だが非課税。どちらにも乗らずに手元に残った分だけが、110万円の枠で見られる。

だから対策は、実際にどうだったかを、そのまま説明できるようにしておくことに尽きます。

目次

  1. 01「贈与じゃない」と「贈与だけど非課税」は、別のこと
  2. 02条文には「通常必要と認められるもの」と書いてあります
  3. 03いちばん危ないのは、まとめて振り込んでもらう形
  4. 04新生活の家具・家電は、別のQ&Aに載っています
  5. 05ご祝儀に税金はかかるのか
  6. 06110万円という数字は、どこで出てくるのか
  7. 071,000万円まで非課税、という制度もあります
  8. 08残すべきなのは、領収書ではなく「誰が何を払ったか」
  9. 09この記事で答えられないこと

「贈与じゃない」と「贈与だけど非課税」は、別のこと

最初に整理しておきたいことがあります。税金がかからない理由には、種類があります。

親の援助について語られるとき、たいてい「110万円まで非課税」という話になります。でも国税庁のQ&Aを読むと、結婚式の費用については、その手前に別の道が用意されていることがわかります。

[Q2-2]は、こう問いかけています。「子の結婚式及び披露宴の費用を親が負担した場合、贈与税の課税対象となりますか。」[1]

答えがこれです。

「結婚式・披露宴の費用を誰(子(新郎・新婦)、その親(両家))が負担するかは、その結婚式・披露宴の内容、招待客との関係・人数や地域の慣習などによって様々であると考えられますが、それらの事情に応じて、本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している場合には、そもそも贈与には当たらないことから、贈与税の課税対象となりません。」[1]

「そもそも贈与には当たらない」。ここが大事なところです。非課税枠を使って課税を免れているのではなく、贈与という出来事が起きていないという整理です。だから110万円という数字は出てきません。

理屈はこうです。結婚式は、ふたりだけの催しではありません。招待客には親の側の縁で来る人がいます。地域によっては、そもそも家と家の行事として営まれてきました。その招待客に対応する費用を親が負担するのは、親が自分の分を払っているだけであって、ふたりに財産を移したことにはならない。 Q&Aが「招待客との関係・人数や地域の慣習など」を挙げているのは、そういう意味です。

だから、親の負担が理にかなっているかどうかは、招待客の構成を見ればおおよそ説明がつきます。親の関係で呼んだ人が多ければ、親の負担が大きいことにも理由があります。

税金がかからない理由は、一つではありません

そもそも贈与に当たらない

  • 本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している場合(Q2-2)
  • 親の招待客の分を親が払う、という形がここに当たる
  • 贈与ではないので、110万円という枠は関係しない
  • 根拠になるのは、招待客の構成と、誰が何を払ったかの記録

贈与だけれど非課税

  • 扶養義務者の間で、生活費に充てるための、通常必要と認められるもの(相続税法第21条の3第1項第2号)
  • 新生活の家具・家電の購入費用などがここ(Q2-1)
  • 「必要な都度直接充てる」ことが条件。まとめて渡して残すと外れる
  • 外れた部分は、暦年課税の110万円の枠で見ることになる

国税庁のQ&Aと相続税法第21条の3より。上から順に当てはまるかを見ていくと整理しやすくなります。

条文には「通常必要と認められるもの」と書いてあります

もう一本の道が、相続税法の条文です。

第21条の3は「贈与税の非課税財産」という見出しの条文で、第1項第2号にこうあります。「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」[2]。これは贈与税の課税価格に算入しない、と定められています。

短い条文ですが、条件が三つ折り込まれています。

  • 扶養義務者相互間であること
  • 生活費又は教育費に充てるためであること
  • 通常必要と認められるものであること

一つずつ、Q&Aの説明を当てます。

扶養義務者については、[Q1-1]の注に定義があります。①配偶者、②直系血族及び兄弟姉妹、③家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族、④三親等内の親族で生計を一にする者[1]。自分の親は②に当たります。では配偶者の親はどうか。 直系血族ではないので、②には当たりません。生計を一にしていれば④に当たります。つまり、義理の親からの援助は、この道では説明しにくいことがあります。

ここで最初の道が効いてきます。[Q2-2]の「本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している」という整理は、扶養義務者であるかどうかを問うていません。両家それぞれの親が、それぞれの招待客の分を負担するという形は、この道のほうで説明できます。

「通常必要と認められるもの」の意味は、[Q1-2]が定義しています。「贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいいます。」[1]

金額の線は引かれていません。需要と資力の両方を見る、とだけ書かれています。同じ金額でも、家庭の事情によって結論が変わりうる、ということです。

いちばん危ないのは、まとめて振り込んでもらう形

ここが実務でいちばん引っかかるところです。

タックスアンサーNo.4405「贈与税がかからない場合」は、こう書いています。「贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。」[3]

Q&Aの[Q1-3]は、もっと具体的です。数年分をまとめて贈与された場合について、「その財産が生活費又は教育費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費又は教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。」[1]

結婚式の準備に置き換えると、こうなります。

親から300万円を振り込んでもらい、そこから式場に250万円を払い、50万円が口座に残った。 この50万円は「充てられなかった部分」です。文言どおりに読めば、課税対象になりうる部分ということになります。

反対に、親が式場に直接振り込む、あるいは請求のたびに必要な額を出してもらうなら、そもそも残りようがありません。

だから、渡しかたには実質的な差があります。

  • 親が式場・業者に直接払う — いちばん説明が簡単。振込の控えがそのまま記録になる
  • 請求書が来るたびに、その額を出してもらう — 「必要な都度直接」の形にそのまま当てはまる
  • 先にまとめて振り込んでもらう — 残った分の扱いを考える必要が出る

「まとめて振り込むのが違法」という話ではありません。残ったら、その部分は別に見られるというだけです。残さず使い切れば、結論は同じところに落ちます。

同じ300万円でも、渡りかたで見え方が変わります
  1. 1

    親が式場に直接払う

    式場の請求先を親にして、親の口座から振り込んでもらう。ふたりの口座を経由しないので「充てられなかった部分」が生じない。振込控えと請求書が対応するので、記録も残りやすい。

  2. 2

    請求のたびに、その額を出してもらう

    内金・中間金・残金と請求が来るたびに、その金額を出してもらう。「必要な都度直接これらに充てるため」という文言にそのまま合う形。

  3. 3

    先にまとめて振り込んでもらう

    いちばんよくある形だが、余った分をどう見るかという論点が残る。使い切るか、余ったら返すか、余った分は別途で考えるか。あらかじめ決めておくと後で悩まない。

  4. 4

    「新生活の費用」としてもらう

    家具・寝具・家電製品などの購入費用に充て、その全額を実際に充てた場合は課税対象になりません(Q2-1)。ただし預貯金に回った部分は別扱いです。

国税庁タックスアンサーNo.4405およびQ&A[Q1-3]の考え方を、結婚式の支払いに当てはめたものです。個別の判断は税務署・税理士へ。

新生活の家具・家電は、別のQ&Aに載っています

結婚式そのものとは別に、新居の準備を出してもらうこともあります。これは[Q2-1]が扱っています。

「婚姻に当たって、子が親から婚姻後の生活を営むために、家具、寝具、家電製品等の通常の日常生活を営むのに必要な家具什器等の贈与を受けた場合、又はそれらの購入費用に充てるために金銭の贈与を受け、その全額を家具什器等の購入費用に充てた場合等には、贈与税の課税対象となりません。」[1]

「その全額を…購入費用に充てた場合」という条件が付いています。そして続けて、「なお、贈与を受けた金銭が預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費(家具什器等の購入費用)に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。」[1]

同じ構造です。充てた分は対象外、残った分は対象。

「家屋の購入費用に充てられた場合」と名指しされているところは、気に留めておく価値があります。新居を買う頭金は、ここには入りません。 家具・寝具・家電は日常生活を営むのに必要なものとして挙げられていますが、家そのものは別扱いです。住宅取得のための資金には別の非課税の制度がありますが、この記事の範囲を超えるので、必要なら国税庁のタックスアンサーを見てください。

もう一つ、[Q2-1]の注1が、原則を確認しています。「子が親から金品を受け取った場合は、原則として贈与税の課税対象となります。」[1] 非課税のほうが例外だ、という順序です。

ご祝儀に税金はかかるのか

ここもよく聞かれるところです。

[Q2-1]の注2に、答えが書いてあります。「個人から受ける結婚祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象となりません。」[1]

条件は二つです。社交上の必要によるものであること。そして、贈った人と受けた人の関係に照らして社会通念上相当であること。

上限の金額は示されていません。「関係等に照らして」という書き方なので、同じ10万円でも、上司からと、いとこからとでは、見え方が違いうるということになります。とはいえ、通常の結婚式で受け取るご祝儀は、ここで想定されている範囲の中にあります。

ちなみに、贈った側の話ではありますが、会社が慶弔規程に基づいて出すお祝い金は、また別の制度で扱われます。個人から個人への贈与とは経路が違います。

そして、この「社交上の必要」という考え方は、親からの援助には当てはめにくいところがあります。親が数百万円を出すのは、社交ではありません。 だから、親の援助は[Q2-2]の分担の話か、条文の扶養義務者の話で見ることになります。

110万円という数字は、どこで出てくるのか

ここまで一度も出てこなかった110万円を、最後に位置づけます。

タックスアンサーNo.4402は、暦年課税をこう説明しています。「贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。」[4]

つまり110万円は、ここまでの道に乗らなかったものが最後に落ちてくる場所です。

順番はこうなります。

  1. 1そもそも贈与に当たらないか(費用を分担している形か)
  2. 2贈与だが非課税か(扶養義務者・生活費・通常必要・都度直接か)
  3. 3残ったものが、1年で110万円以下か

ここで一つ、見落としやすいところがあります。110万円は「もらった人ごと・1年ごと」の枠です。 新郎が自分の親から、新婦が自分の親から、それぞれ受け取る場合、それぞれの側で見ます。また、年をまたげば別の年の枠になります。式が年をまたいで準備される場合、内金と残金で年が分かれることは珍しくありません。

ただし、これを枠の使い方として設計しはじめると、話が変わってきます。この記事の立場は、節税の工夫を勧めることではありません。 実際に誰が何を負担したのかを、そのまま説明できる形にしておく。それがいちばん強い、という話です。

見ていく順番
  1. 1

    1. そもそも贈与に当たらないか

    結婚式・披露宴の費用を、本来負担すべき者それぞれが分担している形か。招待客の構成と、誰が何を払ったかで説明できるか。

  2. 2

    2. 贈与だが非課税に当たるか

    扶養義務者の間で、生活費に充てるための、通常必要と認められるものか。そして「必要な都度直接」充てられているか。

  3. 3

    3. 制度の非課税を使うか

    結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置(No.4511)。金融機関との契約が要るので、使う場合は先に手続きが必要。

  4. 4

    4. 残りが110万円以下か

    1から3に乗らなかった部分を、暦年課税の基礎控除110万円で見る。もらった人ごと・1年ごとの枠。

国税庁Q&A・相続税法第21条の3・タックスアンサーNo.4402より。この順で当てはまるかを確かめると整理しやすくなります。

1,000万円まで非課税、という制度もあります

「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という制度があります[5]。名前のとおり、結婚の費用も対象に入っています。

ただ、条件を並べると、多くのカップルにとっては使いどころが限られます。

  • 期間 — 平成27年4月1日から令和9年3月31日までの間の贈与
  • 年齢 — 18歳以上50歳未満
  • 手続き — 金融機関等との「結婚・子育て資金管理契約」が必要。口座を作って、そこに預け入れる形
  • 限度 — 1,000万円まで。ただし結婚に際して支払う金銭は300万円が限度
  • 所得制限 — 贈与を受ける人の前年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用できません
  • 終わったあと — 契約期間中に贈与者が亡くなった場合や、契約が終了した場合には、相続税や贈与税がかかることがあります

ここを読むと、性格がわかります。これは「使い切るまで数年かかる」前提の制度です。金融機関に口座を作り、支払いのたびに領収書を出して払い出す。結婚の費用だけなら300万円が上限で、それを超える部分は子育ての費用に使うことになります。

式の費用のためだけに使うには、手続きが重い。 そして、そもそも[Q2-2]の道が使えるなら、契約も口座も要りません。

この制度が効くのは、まとまった額を早めに渡しておきたいという事情が親の側にあるときです。相続の見通しを含めた判断になるので、そこまで来ているなら税理士に相談する場面だと思います。

残すべきなのは、領収書ではなく「誰が何を払ったか」

ここまでの三つの道は、どれも同じものを必要とします。説明できる記録です。

[Q2-2]の「本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している」という形を主張するなら、誰がどの費用を負担したのかが言えなければいけません。「なんとなく親が多めに出した」では、分担している形になっているのか自分でもわからなくなります。

「必要な都度直接充てる」という条件を満たしていることを言うなら、いつ、いくら、何のために動いたかが並んでいる必要があります。

具体的には、こういうものです。

  • 式場・業者の見積書と請求書 — 何にいくらかかったのかの元になるもの
  • 支払いの記録 — 誰の口座から、いつ、いくら出たか。親が直接払ったなら親の振込控え
  • 招待客のリスト — 誰の関係で呼んだ人が何人いるか。[Q2-2]が挙げている「招待客との関係・人数」がそのまま説明になる
  • 親と決めたときの取り決め — 口約束でも、日付とともにメモしてあれば違います

このうち三つは、式の準備をしていれば自然に手元にあるものです。 見積書は交渉のたびに増えていきますし、支払いは記録しないと予算が見えません。招待客のリストは席次を組むために作ります。

つまり、税の話のために特別な作業を増やす必要は、ほとんどありません。必要なのは、すでにあるものを捨てないことと、支払いの記録に「誰が払ったか」を残しておくことです。

ふたりの財布と親の財布を分けて記録しておくと、あとで振り返るのが楽になります。Harebiyori の費用の画面でも、支払い済みの記録に誰が負担したかを書き残せます。そこまで細かく残す必要があるかは家庭によりますが、あとから思い出すのは難しいということだけは書いておきます。

この記事で答えられないこと

最後に、範囲をはっきりさせます。

ここに書いたのは、国税庁が公開している一般的な整理です。個別のケースがどちらに転ぶかは、ここでは判断できません。 [Q1-2]が「その他一切の事情を勘案して」と書いているとおり、条文自体が個別の事情を見ることを前提にしています。

こういうときは、確かめたほうがいい場面です。

  • 金額が大きいとき — 数百万円を超える援助で、分担の形になっていない部分があるとき
  • 義理の親から直接受け取るとき — 扶養義務者に当たるかどうかが自明でない
  • 不動産や車が絡むとき — 新居の購入や、車の名義が動くケース
  • 親の側で相続の話が進んでいるとき — 贈与の扱いが相続の計算に関わってくる

聞く先は二つあります。税務署は無料で相談を受けています(国税局の電話相談センター、または所轄の税務署)。一般的な取扱いの確認なら、ここで足ります。個別の判断や申告まで頼むなら税理士です。

そして、いちばん確実なことを一つ。式の費用の話は、親と最初に話すときに、金額と一緒に「どう払うか」まで決めておくと、後から悩まなくて済みます。 直接払ってもらうのか、こちらに振り込んでもらうのか。この記事で見てきたとおり、そこが分かれ目だからです。

Harebiyori の考え

税の話は、書き方を間違えると不安を煽る材料になります。「知らないと損する」「税務署に見られている」という調子で書けば、読む人は動きます。

私たちはそれをしません。この記事で伝えたいのは、国税庁が結婚式の費用について何と書いているか、その事実だけです。

私たち(Harebiyori)は、カップルを特定の式場へ誘導して稼ぐことをしません。送客手数料や広告費で記事のおすすめや順位を動かすこともしません。だから、親の援助を増やす方向にも減らす方向にも、記事を寄せる理由がありません。

そしてもう一つ。この記事は税務の助言ではありません。 一般に公開されている条文とQ&Aを読んで整理したものです。自分たちのケースで迷ったら、税務署か税理士に確かめてください。それが遠回りに見えて、いちばん早い道です。

費用の記録をはじめる

クレジットカード不要・登録は1分。見積もりと支払いを、誰が負担したかも含めて残せます。

この記事を送る

タイトルとリンクが一緒に入るので、送られた側にも何の記事か伝わります。

LINE で送る

よくある質問

親から300万円もらって式の費用に使いました。申告は必要ですか。
国税庁のQ&Aは、結婚式・披露宴の費用を「本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している場合には、そもそも贈与には当たらない」としています。この形に当てはまり、受け取った額を実際に式の費用に充てていれば、贈与税の課税対象にはならないという整理です。ただし、充てられずに残った部分については「贈与税の課税対象となります」とも書かれています。個別の判断は税務署か税理士に確かめてください。
夫の親からもらう場合と、妻の親からもらう場合で違いはありますか。
相続税法第21条の3第1項第2号の「扶養義務者相互間」という条件で見る場合には違いが出ます。自分の親は直系血族なので扶養義務者に当たりますが、配偶者の親は直系血族ではないため、生計を一にしているなどの事情がなければ当たりません。ただし、結婚式の費用については「本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している」という別の整理があり、こちらは扶養義務者かどうかを問うていません。両家それぞれの親がそれぞれの招待客の分を負担する形は、この整理で説明できます。
ご祝儀は贈与税の対象になりますか。
国税庁のQ&Aは、「個人から受ける結婚祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象となりません」としています。金額の上限が示されているわけではなく、贈った人との関係を含めて見る、という書き方です。通常の結婚式で受け取るご祝儀は、ここで想定されている範囲の中にあります。
式の費用が余りました。返したほうがいいですか。
制度上「返さなければならない」という決まりはありません。ただし、生活費に充てるための贈与として非課税になるのは「必要な都度直接これらに充てるため」のものに限られ、充てられずに預貯金となった部分は課税対象になりうる、というのが国税庁の説明です。余った額が大きいなら、返すか、別の非課税の枠で見るか、暦年課税の基礎控除110万円の範囲に収まるかを考えることになります。
結婚・子育て資金の一括贈与の制度は使ったほうがいいですか。
金融機関等との「結婚・子育て資金管理契約」が必要で、結婚に際して支払う金銭は300万円が限度、贈与を受ける人の前年分の合計所得金額が1,000万円を超えると使えません。契約期間中に贈与者が亡くなった場合や契約が終了した場合に相続税・贈与税がかかることもあります。式の費用のためだけに使うには手続きが重く、そもそも「分担している」形で説明できるなら契約自体が要りません。まとまった額を早めに渡しておきたい事情が親の側にあるときに、税理士と検討する制度だと考えたほうが実態に合います。
何を残しておけばいいですか。
見積書と請求書、支払いの記録(誰の口座からいつ出たか)、招待客のリスト、親と決めたときの取り決め。この四つです。前の三つは式の準備をしていれば自然に手元にあるものなので、捨てないことが実質的な対策になります。支払いの記録には「誰が払ったか」を書き添えておくと、あとから振り返るときに困りません。

出典

数字は公開された一次情報から。公的統計・法令の公的解説と、民間調査を区別しています。

  1. [1]国税庁「扶養義務者(父母や祖父母)から『生活費』又は『教育費』の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A」法令・制度2013年12月
  2. [2]相続税法 第21条の3(贈与税の非課税財産)/e-Gov法令検索法令・制度昭和25年法律第73号
  3. [3]国税庁 タックスアンサー No.4405「贈与税がかからない場合」法令・制度2025年
  4. [4]国税庁 タックスアンサー No.4402「贈与税がかかる場合」法令・制度2025年
  5. [5]国税庁 タックスアンサー No.4511「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」法令・制度2025年

この記事の編集方針

このガイドは、結婚式の準備をまるごと手伝う無料アプリ「Harebiyori」が書いています。送客手数料や広告費で、記事のおすすめ・順位を動かすことはありません。だから費用も段取りも、どこかへ誘導することなく、ふたりの側に立って書けます。

数字は、厚生労働省の人口動態統計などの公的統計と、公開された民間調査の一次情報に基づく目安です(各ページ末尾に出典を明記しています)。地域・会場・時期によって幅があるので、最後はふたりのペースで読み替えてください。

編集方針と運営者について、くわしく →

contents

目次

  1. 「贈与じゃない」と「贈与だけど非課税」は、別のこと
  2. 条文には「通常必要と認められるもの」と書いてあります
  3. いちばん危ないのは、まとめて振り込んでもらう形
  4. 新生活の家具・家電は、別のQ&Aに載っています
  5. ご祝儀に税金はかかるのか
  6. 110万円という数字は、どこで出てくるのか
  7. 1,000万円まで非課税、という制度もあります
  8. 残すべきなのは、領収書ではなく「誰が何を払ったか」
  9. この記事で答えられないこと

次に読む

この記事のつづきとして、編集部が選んだ3本です。

費用

結婚式の費用は親に頼っていい? 両家の分担と、お金の切り出し方

結婚式で親から援助を受けるのは、全国推計で約4分の3。援助総額の平均は168.6万円です。援助の出どころも「両家から」が4分の3で、新郎側が多く出す決まりは数字に出ていません。「頼っていいのか」「両家でどう分けるのか」「どう切り出すのか」を、実数と、平均を引き算してはいけない理由まで含めて、特定の式場へ誘導して稼がない立場からまとめました。

読む

費用

結婚式のお金は、いつ出ていく? 総額より先に確かめること

同じ総額でも、前払いか当日精算かで用意しておく現金はまるで違います。お金が動く順番と、ご祝儀を支払いに充てられるかどうか、そして契約前に聞いておける質問を整理しました。

読む

費用

少人数結婚式の費用は、人数を半分にしても半分にならない

会場費・装花・撮影・衣装には下限があり、人数を減らしても比例しては下がりません。費目別の平均から「固定費の逆説」を正直に解説します。

読む
「費用・お金」のガイドをまとめて見る