物価は上がる。ご祝儀は3万円のまま
ご祝儀3万円は、統計上は代金ではなく「贈与金」。結婚式場の値段は物価指数に入っていない
最終更新 2026.10.20約12分出典11件公的1法令3民間7
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物価の物差しである消費者物価指数は、結婚式場サービスの値段を測っていません。総務省統計局は2020年基準の改定で、葬儀サービスは把握する一方、「結婚式場サービスは把握を見送る」と決めました[1]。そしてご祝儀は、統計の上では料理の代金ではなく「贈与金」です[3][2]。
それでも、ゲスト1人ぶんの費用は動いています。首都圏の調査では、披露宴の料理+飲み物は1人あたり平均1万9,400円(2018年調査)から2万3,000円(2024年調査)に。友人のご祝儀は、同じ期間ずっと平均3.0万円のままでした[5][7]。
「3万円は重い」ゲストと「3万円では足りない」ふたり。どちらも悪くないことを、数字で確かめます。
葬儀の値段は測っている。結婚式の値段は「把握を見送る」と決めていた
消費者物価指数は、全国の世帯が買うモノやサービスの値段の動きを測る、国の物価の物差しです。2019年、総務省統計局は次の基準改定に向けて「冠婚葬祭サービス」を指数に入れられるかを検討し、結論を出しました。「2020年基準改定において、葬儀サービスを把握(結婚式場サービスは把握を見送る)」[1]。
見送った理由として、資料には二つが挙げられています。利用者のニーズの多様化により、代表的な商品・サービスの特定が困難であること。そして、カレンダー要因(六曜など)や購入経路(ウェブ、雑誌、パンフレット等)等により価格やサービスが異なり、的確な把握・品質調整が困難であること[1]。同じ資料は、アメリカ、イギリスのCPIでも、葬儀サービスは価格調査をしている一方、結婚式場サービスは行っていない、と添えています[1]。
いまの2025年基準の消費者物価指数でも、品目には「葬儀料」がありますが、結婚式場のサービスにあたる品目は見当たりません[2]。
つまり、「物価が◯%上がったのだから、結婚式も◯%上がったはず」という計算は、そもそも国の統計では組めません。
葬儀サービス(把握する)
- 構成要素(納棺、祭壇、供花等)は、全国的にほぼ共通化
- カレンダー要因による価格変動がなく、円滑な価格取集が可能
結婚式場サービス(把握を見送る)
- ニーズの多様化により、代表的な商品・サービスの特定が困難
- 六曜などのカレンダー要因や購入経路で価格やサービスが異なり、的確な把握・品質調整が困難
総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 2020年基準改定における冠婚葬祭サービスの把握について」(2019年)の整理です。
国の統計で、ご祝儀は代金ではなく「贈与金」
家計の支出を細かく分ける総務省統計局の家計調査では、ご祝儀の置き場所がはっきり決まっています。「贈与金」は、一般社会の慣行による自発的現金支出。その例として、せん別、香典、見舞金、謝礼金と並んで「祝儀」が挙がっています[3]。一方、挙式の費用や結婚式費用は「婚礼関係費」という別の項目です[3]。ふたりが会場に払うお金と、ゲストがふたりに渡すお金は、統計の上では別の箱に入っています。
そして消費者物価指数は、この贈与金を対象から外しています。理由はこう書かれています。結納金、せん別、見舞金、謝礼金などの贈与金は、所得の移転であり、財の購入やサービスを受けた対価ではない。[2]
ここから先は、私たち Harebiyori の読み方です。ご祝儀は、料理のお会計を割り勘にしたものではありません。お祝いの気持ちを、慣習のかたちで渡すものです。だから、料理の値段が上がったからといって、ご祝儀が自動的に上がる仕組みはどこにもありません。
親や友だちに「ご祝儀、物価に合わせて上げないとまずい?」と聞かれたら、こう返せます。「国の統計だと、ご祝儀は料理の代金じゃなくて『贈与』なんだって。物価の物差しにも入ってないんだよ」。
首都圏の料理と飲み物は、6年で1人3,600円上がった。友人のご祝儀は3.0万円のまま
物価全体の動きは、消費者物価指数で確かめられます。2020年を100とした総合指数は、2018年平均の99.5から、2024年平均で108.5、2025年平均で111.9になりました[4]。2018年から2024年で、約9%の上昇です。食料に限ると、2025年平均は125.8。外食は2025年に前年比4.0%上がっています[4]。
では、披露宴の1人ぶんの費用はどうか。首都圏の民間調査で、ゲスト一人当たりの料理+飲み物の費用は、2018年調査で平均1万9,400円、2024年調査で平均2万3,000円でした。6年で1人あたり3,600円、約19%の上昇です。料理+飲み物が1人3万円以上だった人は、3.4%から11.5%へ、約3.4倍に増えています[5]。
同じ調査で、友人一人当たりのご祝儀の平均は、2018年調査から2024年調査まで7回続けて3.0万円です[7]。間柄ごとの分布や地域差は、会費制とご祝儀の記事にまとめています。
物価指数は暦年平均、民間調査は調査年の値なので、向きを見るための並べ方です。
首都圏の披露宴・ウエディングパーティー実施者のうち金額回答者の平均です。地域・会場・料理の種類によって幅があります。[5]
料理・飲み物・引出物と、3万円の差は約5,000円から約600円に
ゲスト1人が増えると増える費用は、おおまかには料理・飲み物・引出物です。首都圏の調査で、一人当たりの引出物の金額は、2018年調査で平均5,600円、2024年調査で平均6,400円でした[6]。
ここに料理+飲み物を足してみます。2018年調査は1万9,400円+5,600円で2万5,000円。2024年調査は2万3,000円+6,400円で2万9,400円です[5][6]。友人のご祝儀3万円との差は、6年で約5,000円から約600円まで縮みました。 平均どうしを足した当編集部の計算で、回答した人の集団もそれぞれ違うので、目安として見てください。引出物は、贈り分けをしている場合、最も多く用意したものの金額です[6]。
しかもこれは、人数で増える費用だけの話です。挙式料や衣装、写真のように、人数では動きにくい費用もあります。全国の別の調査では、挙式と披露宴を1回ずつ実施した人の、招待客一人当たりの挙式、披露宴・ウエディングパーティー費用は平均7.3万円でした[10]。友人のご祝儀3万円と比べると2倍以上です。ただし、親族や上司のご祝儀は友人より多めで、首都圏の平均は親族7.7万円、上司4.4万円でした[7]。
そこで総額どうしを見ると、首都圏の調査で挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は374.8万円、ご祝儀総額の平均は212.9万円です(2024年調査)[8]。回答した人の集団が違う平均どうしですが、ご祝儀の総額が費用の総額に届かないのは、平均で見ると最初からの構造です。人数と総額の関係は少人数結婚式の費用の記事、見積もりが増えやすい費目は見積もりの記事に書いています。
首都圏の民間調査(2024年・出典一覧を参照)の「一人当たりの料理+飲み物費用の合計」と「一人当たりの引出物の金額」の平均を、当編集部で足し合わせた目安です(回答者の集団が異なります)。友人のご祝儀は、同じ調査の「招待客別 一人当たりのご祝儀額」平均の推移です。地域・会場によって幅があります。
ゲストへ。全国の調査では、友人のご祝儀が3万円未満という回答も15.7%
「3万円は重い。でも少なく包むと失礼かも」と迷っているなら、知っておいてほしい数字があります。全国の別の調査で、披露宴や結婚を機にした食事会を開いた人に、出席した友人(勤務先以外)の祝金・ご祝儀の一人当たり平均金額を聞くと、平均は2.9万円。2万円未満が7.4%、2〜3万円未満が8.3%で、合わせて15.7%の回答が3万円未満でした[11]。食事会も含めた調査なので、披露宴だけの数字とは単純に比べられませんが、3万円以外の包み方も現にあります。
お祝いの金額は、法律でも料金でもありません。前の章で見たとおり、統計の上でも代金ではなく贈与です[3]。今月の暮らしと相手との関係を見て、包める額を包む。出席がむずかしければ、欠席してお祝いの言葉や品を贈る。どれも、相手を祝う気持ちのかたちです。
迷ったら、ふたりに直接聞くのがいちばんです。会費制にしている式なら、案内された会費が答えになります。新札の用意で迷ったら、ご祝儀の新札の記事もどうぞ。
ふたりへ。ご祝儀は回収の前提にしない。出せる額から先に決める
首都圏の調査では、「ご祝儀をもらうことは申し訳ないと思う」に「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人が、合わせて28.3%いました。同じ調査で「結婚式に招待されることはうれしいことだと思う」は、合わせて90.4%です[9]。受け取る側も、ご祝儀をただの収入とは見ていないことが伝わってきます。
私たちのおすすめは、予算を組むときにご祝儀を「回収する前提」から外すことです。順番はこうです。
- ふたりで出せる額(親からの援助があればそれも)を先に決める
- その範囲で、呼びたい人数と内容を組む
- いただいたご祝儀は、あとから届く「お祝い」として受け取る
こうしておくと、ゲストの包む額でふたりの家計が揺れることがありません。招待状に金額を指定したくなったら、それは会費制の考え方です。会費制なら金額を示すのが自然な形なので、会費制とご祝儀の記事で決め方を確かめてください。引出物の金額をどう決めるかは、引出物の記事にまとめています。
3万円に届かないご祝儀があっても、それは失敗ではありません。 人数で増える費用だけでも、平均で見るともう3万円のすぐ手前まで来ています。持ち出しになるのは構造で、ふたりの見積もりが甘かったからではない。そう知っておくだけで、ゲストの顔を思い浮かべながら招待リストを作る時間が、少し楽しくなるはずです。
- 1
出せる額を先に決める
ふたりの貯金と、もしあれば親からの援助。ここが上限
- 2
その範囲で人数と内容を組む
料理・飲み物・引出物は人数で増え、挙式料や衣装は人数で動きにくい
- 3
ご祝儀は「お祝い」として受け取る
届いた分は、内祝いやふたりの新生活に
ご祝儀の総額は、ゲストの間柄や地域で大きく変わります。予算の柱にしないことで、読めない数字に計画を預けずにすみます。
ゲストの人数と、料理・引出物などの費用をひとつの画面で整理できます。無料ではじめられます。クレジットカード不要。
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よくある質問
物価高なのに、ご祝儀は3万円のままですか?
首都圏の民間調査では、友人一人当たりのご祝儀の平均は2018年調査から2024年調査まで3.0万円のままでした。同じ期間、料理+飲み物の一人当たり平均は1万9,400円から2万3,000円に上がっています。ご祝儀は国の統計では代金ではなく贈与金に分類され、消費者物価指数の対象にも入っていません。物価に合わせて上げる仕組みはなく、包む額は関係と暮らしに合わせて決めてよいと私たちは考えています。
友人の結婚式、ご祝儀2万円は失礼ですか?
失礼かどうかを決める決まりはありません。全国の別の調査で、式や食事会を開いた人に友人(勤務先以外)の祝金・ご祝儀の一人当たり平均金額を聞くと、2万円未満が7.4%、2〜3万円未満が8.3%で、合わせて15.7%の回答が3万円未満でした(食事会も含む調査)。相手との関係と今の暮らしから、包める額を包むことがいちばん大切です。迷ったら、ふたりに直接相談してみてください。
結婚式の費用はご祝儀でまかなえますか?
平均で見ると、まかなえないのがふつうです。首都圏の調査では、挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額の平均が374.8万円、ご祝儀総額の平均が212.9万円でした(2024年調査・回答者の集団は異なります)。同じ調査の平均を足すと、料理+飲み物と引出物だけで1人2万9,400円(2024年調査)。挙式料や衣装のように人数で動きにくい費用もあり、全国の別の調査では招待客一人当たりの費用は平均7.3万円でした(挙式と披露宴を1回ずつ実施した人)。ご祝儀は回収する前提にせず、出せる額を先に決めて組むと安心です。
結婚式の料理と飲み物は、ゲスト1人いくらくらい?
首都圏の調査では、一人当たりの料理+飲み物の費用は平均2万3,000円(2024年調査)で、2018年調査の1万9,400円から上がっています。1人3万円以上だった人は11.5%でした。地域・会場・料理の種類によって幅があるので、会場に一人当たりの単価を確認するのが確実です。
結婚式の費用は消費者物価指数に入っていますか?
結婚式場サービスは入っていません。総務省統計局は2020年基準の改定で、葬儀サービスは把握する一方、結婚式場サービスは把握を見送りました。ニーズの多様化で代表的なサービスを決めにくいことや、六曜などのカレンダー要因・購入経路で価格やサービスが異なることが理由です。ご祝儀も贈与金として対象外です。
出典
数字は公開された一次情報から。公的統計・法令の公的解説と、民間調査を区別しています。
- [1]総務省統計局「消費者物価指数(CPI) 2020年基準改定における冠婚葬祭サービスの把握について」(統計委員会 国民経済計算体系的整備部会 参考3-1/2020年基準改定において、葬儀サービスを把握(結婚式場サービスは把握を見送る)/結婚式場サービスは代表的な商品・サービスの特定が困難、カレンダー要因(六曜など)や購入経路等により価格やサービスが異なり的確な把握・品質調整が困難/アメリカ、イギリスのCPIでも結婚式場サービスの価格調査は行っていない)法令・制度2019
- [2]総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数の解説」(信仰・祭祀費、寄付金、贈与金、他の負担費及び仕送り金は対象から除外/結納金、せん別、見舞金、謝礼金などの贈与金は、所得の移転であり、財の購入やサービスを受けた対価ではない/指数品目に「葬儀料」)法令・制度2026
- [3]総務省統計局 家計調査「収支項目分類及びその内容例示(令和2年(2020年)1月改定)」(贈与金=一般社会の慣行による自発的現金支出、例示「せん別 香典 見舞金 謝礼金 祝儀」/婚礼関係費の例示「挙式の費用 結婚式費用」)法令・制度2020
- [4]総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)12月分及び2025年(令和7年)平均」(総合指数 2018年99.5・2024年108.5・2025年111.9/食料 2025年125.8/外食 2025年 前年比4.0%)公的統計2026
- [5]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)一人当たりの料理+飲み物費用の合計(首都圏 2018年調査 平均19.4千円・2020年調査20.3千円・2022年調査21.9千円・2024年調査23.0千円/3万円以上 2018年調査3.4%・2024年調査11.5%)民間調査2024
- [6]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)一人当たりの引出物の金額(首都圏 2018年調査 平均5.6千円・2024年調査6.4千円/贈り分けをしている場合は最も多く用意したもの)民間調査2024
- [7]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)招待客別 一人当たりのご祝儀額 平均の推移(友人 2018〜2024年調査 3.0万円/2024年調査 親族7.7万円・上司4.4万円)民間調査2024
- [8]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額(2024年調査 平均374.8万円・金額回答者)/ご祝儀総額(2024年調査 平均212.9万円・ご祝儀制の披露宴・ウエディングパーティー実施者のうち金額回答者)民間調査2024
- [9]ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏(リクルートブライダル総研)結婚式やコミュニティに対する考え方(「ご祝儀をもらうことは申し訳ないと思う」そう思う計28.3%/「結婚式に招待されることはうれしいことだと思う」そう思う計90.4%)民間調査2024
- [10]結婚マーケット調査2025(リクルートブライダル総研)挙式および披露宴・ウエディングパーティーを1回ずつ実施した人における招待客一人当たりの挙式、披露宴・ウエディングパーティー費用の平均7.3万円民間調査2025
- [11]結婚マーケット調査2025(リクルートブライダル総研)祝金、ご祝儀の一人当たり平均金額【友人(勤務先以外)】(2万円未満7.4%・2〜3万円未満8.3%・平均2.9万円/ご祝儀制を取り入れた披露宴・ウエディングパーティー、結婚を機とした食事会の実施者)民間調査2025
この記事の編集方針
このガイドは、結婚式の準備をまるごと手伝う無料アプリ「Harebiyori」が書いています。送客手数料や広告費で、記事のおすすめ・順位を動かすことはありません。だから費用も段取りも、どこかへ誘導することなく、ふたりの側に立って書けます。
数字は、厚生労働省の人口動態統計などの公的統計と、公開された民間調査の一次情報に基づく目安です(各ページ末尾に出典を明記しています)。地域・会場・時期によって幅があるので、最後はふたりのペースで読み替えてください。